ケトルベルトレーニング「トルコ式ゲットアップ」で体幹や肩、脚を鍛える!
ケトルベルトレーニングは、ダンベルやバーベルと違い、不安定な重心を利用して効果的に全身を鍛えることができるトレーニング法です。
そんなケトルベルトレーニングの中で「トルコ式ゲットアップ」は、体幹や肩、脚などの筋肉に、スロートレーニングに近い刺激を与えることができるおすすめの筋トレです。
そこでここでは、トルコ式ゲットアップの基本的なやり方やフォーム、おすすめの重さや回数、腰痛など怪我をしないための注意点について解説していきます。
トルコ式ゲットアップの基本的なやり方とフォーム
まず、下の動画をご覧ください。海外のトレーナーが説明しているたいへんわかりやすいトルコ式ゲットアップの基本のやり方です。
それでは、やり方を説明していきましょう。
まず準備として、床にケトルベルを置きます。次に、ケトルベルが右手の位置に来るように、横向きに寝転がります。動画のように、右向きに寝てください。
そして膝を曲げ、右手でケトルベルの柄を持ち、左手でケトルベルが安定するように支えましょう。
そのまま仰向けになり、左手でケトルベルを支えながら、右腕の力を使ってケトルベルを挙上させます。この時、腕をまっすぐ上に伸ばしてください。
また重心が右半身にあるため、左腕と左脚を横に伸ばします。伸ばす方向は、体の軸から45度前後になるようにしましょう。
角度を45度程度にすることで、安定感を出すのと同時に次の動作に移行しやすくなります。
そして、腹筋と左腕の力を利用して上体が斜めになるように起こします。体を支える左腕に関しては、床に前腕部分を接するようにしてください。
さらに腹筋と左腕の力を利用して、上体が床と垂直になるように完全に起こします。この時、左手のひらを床に接して体を支えましょう。
上体を起こしたら、伸ばしている左脚を折りたたみ、左膝が床に接するようにします。
右腹斜筋の力を利用して、左手を床から離し、膝立ちの体勢になってください。姿勢を保つように、左腕は左方向に伸ばしましょう。
左膝を中心に、車のワイパーの動きのように左足を回転させ、右足が向いている方向と左脚が平行になるようにします。
膝をついていますが、筋トレ種目のランジに近い体勢です。
最後に、体幹を維持しながら右の大腿四頭筋を利用して、立ち上がってください。立ち上がった時、動画のようにケトルベルを持った右腕の緊張を解き、ひじを軽く曲げます。
ここから巻き戻しのように、最初の寝転がった体勢に戻りましょう。
まず、緊張を解いた右腕を再度まっすぐ上に伸ばします。
次に、左脚を曲げ、左膝を床につけてください。そして、ワイパーの動きのように左脚を反時計回りに回転させましょう。
体を倒す準備として左手を床につけ、左脚を伸ばしながらお尻を床につけます。左腕を曲げ左ひじが床に接するように、上体を斜めにしてください。
そして、ゆっくりと背中を床につけましょう。ケトルベルは、まっすぐ上に挙げたままです。
右手で持っているケトルベルを左手で支えながら、胸の上に下ろしてください。最後に、右半身が床につくように右側に寝転がり、ケトルベルを床に置きます。
トルコ式ゲットアップのポイント
以上が、トルコ式ゲットアップの基本的なやり方です。まずはケトルベルを持たずに、フォームを確認しながらトルコ式ゲットアップのやり方を覚えましょう。
そして筋力に応じて、ケトルベルの重量を決めます。目安としては、感覚をつかむために、10kgでトルコ式ゲットアップを左右交互に3セット行ってみてください。
体勢が大きく崩れてしまう場合は、重すぎる可能性が高いです。10kgで一連の動作ができない場合は、7〜8kgで行ってください。
10kgが軽すぎて刺激が得られない場合は、無理せずに2〜3kgずつ増やしていきましょう。
慣れてきたら、重量を増やしたりセット数や回数を増やしたりしてみてください。「20kgで行ってみる」、「回数を左右交互に7セットにする」などです。
筋力アップ目的の場合は、体勢が大きく崩れない程度の重量で左右交互に5セットがおすすめです。
また、「左右交互ではなく、右5セット連続行った後に左5セット連続で行う」「1セットにかける時間をいつもの2倍にする」などの変化をつけることで、筋肉に違った刺激を与えることができます。
腰痛や怪我をしないためのトルコ式ゲットアップの注意点
トルコ式ゲットアップには、次のように注意点があります。いずれも重要なことなので、怪我防止のためにも十分に気をつけましょう。
軽い重量のケトルベルからはじめること
まずは、正確なフォームを覚えることが重要です。
トルコ式ゲットアップは、ただでさえ不安定な重心のケトルベルを、不安定な体勢で行うトレーニングです。そのため、正確なフォームを覚えることは、怪我をしないための必須事項です。
まずは軽い重量、もしくはケトルベルを持たずにトルコ式ゲットアップを行ってみてください。
フォームに問題がなく、筋や関節に不自然な力がかからなければ、重量を増やしてトレーニングしましょう。
筋肉の使い方を間違えないこと
トルコ式ゲットアップは、全身の複数の筋肉が連動して使われるトレーニングです。そのため、トレーニング効果を上げるためには、各筋肉を正しく行う必要があります。
もし間違えてしまうと、筋肉を痛めたり腰痛の原因になったりするため注意してください。
正しく筋肉を使うためには、次のようなポイントがあります。
トルコ式ゲットアップでは、左前腕で体を支えて右腕を伸ばす体勢があります。この時、右腕を完全に伸ばすだけでなく、左ひじから左肩、首の根元、右肩、そして右腕が一直線になるようにしなければいけません。
左手のひらを床につけて上体を起こす体勢でも、床につけた左手からケトルベルを持った右手まで一直線になるようにします。決して肩をすくめないようにしましょう。
トレーニーの視線に注意して動画を見てみましょう。
寝転った状態から左膝を使って上体を起こすまで、終始上を向いていることがわかると思います。これは、僧帽筋を緊張させるためです。
視線(頭の向き)が上を向いておらず、前を向いていたり下を向いていたりすると、僧帽筋の緊張が解けてしまいます。
その結果、背中から腰までの筋肉の連動が弱まり、効果的なケトルベルトレーニングができなくなってしまうのです。それどころか、筋を痛めたり腰痛の原因にもなりかねません。
そのため、必ず上を向くようにしてください。
上を向くのと同じ理由で、背中を丸めないようにしましょう。
背筋をしっかり伸ばしたままトルコ式ゲットアップを行うことで、怪我の防止とともにトレーニング効果が高まります。
反動(チート)を使わないこと
トルコ式ゲットアップは、ケトルベルスイングのように反動をつけて行うトレーニングではありません。
スロートレーニングのように、筋肉に「遅い刺激」を与えることが目的です。そのため、できるだけゆっくりと行うことが大切です。
また、反動を使ってしまうと余計な筋肉に力が入り、怪我をする原因にもなります。
トルコ式ゲットアップのまとめ
ケトルベルトレーニングでぜひ習得したい、トルコ式ゲットアップのやり方と注意点について説明してきました。
トルコ式ゲットアップは、全身の筋肉を連動させながらスロートレーニングの要領で刺激を与えることができるトレーニングです。
その刺激の入り方から、同じケトルベルを使ったケトルベルスイングはもちろん、バーベルやダンベルなどのウエイトトレーニングとはまったく異なったトレーニングと言えるでしょう。
そのため、普段ウエイトやマシントレーニングを行っている人でも、さらなるバルクアップや体幹の鍛錬、またはスランプ脱出のために取り入れたい種目です。
また、トルコ式ゲットアップは、重心や体勢が不安定になりやすい種目でもあります。そのため、何度も動画を見て、フォームをチェックしながらやり方を覚えるようにしてください。